探査機「のぞみ」の失敗の原因

日本初の惑星探査機「のぞみ」失敗に関する報告書を宇宙開発委員会がまとめたと報道がありました。

現在のところ朝日新聞と読売新聞が報道していますが、なぜか内容が違います。朝日新聞は「探査機「のぞみ」失敗は「偶発的故障」 原因特定は困難」として、電気回路のどの部品が故障したのかまでは絞りこめなかった、部品の偶発故障であろうと結論づけた、と報道しています。これに対し読売新聞は「火星探査機「のぞみ」の失敗、米国製バルブが原因」として、燃料供給システムで使われた米国製バルブの設計変更によって問題が発生する可能性を把握していなかったことが原因であると結論づけた、と報道しています。

マスコミが、とくに科学分野において、正確な情報を報道しないことがあります。それは担当記者のその分野での知識不足によるものですが、この件は知識不足と言う問題では無いでしょう。報告書の結論が報道機関によって異なる、とはどういうことなんでしょうか。

なお、当の宇宙航空研究開発機構のサイトには報告書はまだ掲載されていませんので、どちらの報道が正しいのかわかりません(そもそもどちらも正しくない可能性もあります)。

それはそうと失敗の原因はきちんと特定しておかなければいけません。そうしないと失敗を繰り返すからです。朝日新聞が報道した「偶発的故障」が結論ではいけません。宇宙開発委員会の方々はわかっていますよね。